ダンジョンオタクの出番だ

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フリースタイルダンジョン 個人的モンスター別隠れベストバウトを紹介【初代モンスター編】

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今回はフリースタイルダンジョン、初代モンスターの個人的な感覚で選んだベストバウトを各モンスターにつき1つ選んで紹介しようと思います。

ただ、有名なバトル(晋平太vs漢、Rvs呂布など)を紹介しても仕方がないので、比較的マイナーだけど面白い、そんなバトルをチョイスしてみました。

 

 

 

 

T-Pablow

・TK da 黒ぶち vs T-Pablow(2nd Season Rec4)

 

当時リベンジャーとして出てきたTKと対峙したのが1stで出てきたパブロ。

Round1、ビートはHave a party。バトルで言うならFORKvs魅RIンでおなじみ。

先攻後攻関係なくバチバチやろうぜ、とパブロに言うTK。思わずこの表情。f:id:wattasyo:20190722014651p:plain

しかしパブロは冷静に「Monsters War、とんがるフロウ、音楽業」と畳みかける。

その中でパブロは一緒にチームを組んだMonsters Warで足を引っ張ったと謝罪。

それをTKは否定しつつ早口で韻を踏む。それに対しパブロは「早口飽きた、杯交わした」と突き放し締める。結果は4-1でTKの勝ち。ゲスト審査員(ダース)ストップ。

 

Round2、個人的にはこれが一番すき。

安定の早口フロウで沸かせつつ踏むTK。それに対しパブロは

「昔の俺の街のやり方じゃあんた攫って拉致してヤキ入れて鼻から割り箸で簡単な話」と見事なパンチライン。ワイプのドタマR大盛り上がり。

何のために会いに来たのかわからない、と繰り返しパブロに聞くTK。するとついに本音を話すパブロ。

「俺が会いに来た理由?あんた選んだじゃねぇか

格好いいからてめぇに会いにきたんだクソ野郎この野郎」

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ありがとう、と思わず言ってしまうTK。ここが一番ぶちあがった。

結果は1-4でパブロの勝ち。LiLyストップ。

 

Round3。

「俺のこと格好いいって言ってくれた奴の前で

ヒヨって後攻とるなんてまじクソだせぇだろう」

いきなりカマすTK。

それに対して「フラスコでしょ、フラストレーション」と踏むパブロ、TKライム読み。

その後TKがパブロの言った「1対4、深海魚」を拾い

「お前が何?深海魚そんなのは知んないよ 心配もいらないぜ In fight バーン!」

と怒涛のライム連打。これで勝負が決まったのか、結果はクリティカルでTKの勝利。

 

この勝負、何がよかったって普段バトル中に相手へのリスペクトをあまり見せないT-PablowがカッコいいとTKを褒めていたところで、めっちゃ痺れました。

さらに改めてバトルを見ていると、二人共とても楽しそうな顔をしているんですよ。それでいてバチバチのバトルをしているんですよね。この楽しみつつもバトルであることを忘れない二人のスタンス、かっこよさが垣間見えたバトルだと思いました。

 

サイプレス上野

・魅RIン vs サイプレス上野(3rd season Rec3)

 

「TEAM NGT3」の一員として登場した魅RIン。それに立ちはだかるのはモンスターのサイプレス上野

Round1。

「お前が魅RIンなら USUは醤油 あと黒さき お前は酒

お前らみたいなクソなMC 3人ぶっ殺してコトコト煮込む」

と名前をもじったバースをサ上が蹴る。

それに「目の前のブタなんか 俺ら確実に味付けてやるから

大丈夫だぜ しっかりミリンで味付け 頂いちまいますよ」とうまい返し。

最後にドヤ顔で、「俺は もう止まらねぇ」と締める。

 

そこでサ上、「俺は もう止まらねぇ 何て格好いいんだよ」

と皮肉たっぷりの返し。

そして「コイツ魅RIン そしてUSU 黒さき海斗 新潟代表 クソしかいないよ

と黒さき海斗、クソしかいないよで長めの韻。うまい。

と思ったら海斗と代表、ないよで踏んでいる。これは後でニヤつく。

 

それに魅RIン、

「よく分かってんじゃん 俺は自分をかっけぇって思ってる

マイク持ってる自分が一番かっけぇって思わなきゃ

ラップなんか やってらんねぇよ

アンタだって そう思ってやってきたんだろ

自分が自分信じなきゃ あとは誰が自分を信じてくれんだ」

と、冗談抜きのマジでカッコいいライン。けどナイカあたりが言ったら魅RIンの8倍ぐらいは湧きそう

 

サ上も自分を信じてやってきたからチャンピオンで連載が決まった、とアンサーするが少しずれてしまった感は否めない。

そこを最後のバースできっちり仕留め、結果はクリティカルで魅RIンの勝ち。

 

このバトルはフリースタイルバトルにおけるユーモラスなサ上のいいところが出ていて、それに対する魅RIンのキザなバースが対比して面白い、隠れたベストバウトだと思っています。

 

a.k.a. GAMI

RYOTA vs 漢 a.k.a. GAMI(2nd season Rec2)

 

このRecから会場が新木場ageHaに代わっています。

Round1。

先攻漢、「はっきり言って言うことはねぇ」と前置きしつつ

「これはトーナメントじゃねぇ お前をセメントに埋めるような殺人事件のリリックだぜ」とゴリゴリの韻踏み。さすが。

それに対し、「俺はどこで無名と言われても関係ねぇ 文無しの無名飛んでくだけ 飛ぶ鳥落とす勢い MC漢」と真っ向から向き合う姿勢を見せるRYOTA

最後に「紅の豚 飛び続ける感覚 乱雑に叩き出す万札で得る大金を」と言い締める。

それに「おいちゃんと一服キメてこいよ 飛べねぇ豚はただの豚 紅の豚

と、前バースでRYOTAが言ったワードを拾い、「飛ぶ」と「トぶ」でダブルミーニング

そこでRYOTA

マリファナを吸ったところで俺は別にラップがうまくなるとは思わねぇんだ

タバコも酒もやらねぇ シラフでどこまでいけるか

シラフで見てるその目ん玉その先にリアルがあるからな

音楽っていうのはそういうもの

HIPHOP以上 音楽未満になっちまうかもしれねぇ だけど俺はそれを信じるぜ

だから無名と言われ続けても スタジオにこもって今日も歌を書いてる」

と自分のスタンスを提示する。超かっこいい。が、結果は1-4で漢の勝ち。

 

Round2。

再び先攻漢、「ちゃんとスパスパしとけよ一服キメて」と匂わせるバース。

そこでRYOTAは改めて、吸いすぎてラップが上手くなるなら俺だって吸うわ、俺はあえてシラフでいくとブレないスタンスを改めて提示。

そこで漢、

「テレビで何の話してるんですか?一体俺のこと勘違いして

マリファナとか大麻とかやめてくれないかな?

そういうはったりみたいな言い訳は

やめてくれよ 大人相手に子供を真面目にぶってるようだが

俺はBUDDHAやSHHAKAみたいな時代から見てんだ

あそこにもスターがいるが、お前は酸っぱい思い出作って帰るだけだ」

とまさかのスカし、会場ブチ上がり。

RYOTAはこの後も愚直にアンサーするも、結果は2-3で漢の勝ち。

 

この試合、漢のスカしバースが注目されがちですが、RYOTAの愚直に、まっすぐに相手に向き合う力強い姿勢があったおかげで「まっすぐなチャレンジャーvs圧倒的な強さを持つモンスター」の構図ができ、とても見ごたえのある試合になったのでRYOTAはもっと評価されてもいいと思います。韻踏んじゃった

 

R-指定

・J平 vs R-指定(3rd season Rec1)

 

個人的にFSD屈指のベストバウトだと思っているこのバトル。

さっきも言った、「まっすぐなチャレンジャーvs圧倒的な強さを持つモンスター」要素が一番色濃く出ていたバトルで、二人のラップはもちろん、ビートも個人的には大好きなものばかりでほんとに最高でした。

これに関しては個別に記事を書きたいレベルなのでここではこの程度で終わっておこうと思います。

 

CHICO CARLITO

スナフキン vs CHICO CARLITO(2nd season Rec3)

 

DOTAMA、T-Pablowを下したスナフキンにチコが立ちはだかる。

Round1。

「音に上で話してるけど 中身がないならさいなら

まるでサイババ その口塞いだら わかんだろ決めるぜアホンダラ」

スナフキンのラップの中身の無さを心地よいフロウで指摘する先攻チコ。

それに対し「沖縄沖縄 うるせぇわりに 沖縄あげてから来いよザコ」

とアンサーはせずに新たな話題を出す後攻スナフキン

最後に「俺一年に一回 沖縄行くけど お前の名前は聞かない聞かない

未払い 未だに いがらい vivarise」とディスとライムの連打。

 

それに対しチコ、沖縄をチャンプ(UMB優勝)になって上げたと的確なアンサー、その上で話をごちゃまぜにしているのはお前、スナフキンの噂も聞かない、とスナフキンが吐いた言葉すべてに丁寧に言葉を返してゆく。

そこでスナフキン、「嘘つけ スナフキンさん知ってるって お前ニコニコ現れたCHICOだろ おい」とアンサー。

最後に「俺のビート 速度 サーチ 般若狙うのは俺だゴルゴ13」と硬い押韻で締める。

結果はスナフキンの一発クリティカル。

 

スナフキンと言えばR戦やT-Pablow戦、二代目の呂布戦などが注目されがちですがこの試合もかなり見ごたえがあって間違えなくベストバウトだと思います。

この試合で凄いのは、チコ、スナフキンの二人が割とガッツリ対話をしていたのにずっと聞き心地のいいフロウでビートに乗っかっていた所で、二人のフリースタイルのうまさとリズム感の良さがよく表れていたと思います。

個人的にはチコがかなり芯を食ったアンサーをしていたので勝ったと思っていたのですが結果はスナフキンの勝ち。こればっかりは人それぞれだから仕方ない。

 

DOTAMA

・龍道 vs DOTAMA(2nd season Rec3)

 

3rdステージに進んだ龍道と対峙するのはDOTAMA。

Round1。

先攻ドタマ、いきなり幕開けだ、勝つだけだ、(口が)開くだけだ、とライムで畳みかける。

それに龍道、「DOTAMAさん 見た目はイタリア人 スーツでも着ちゃえば2割り増し

と、韻が踏みたいがために相手を褒めてしまう。

そこを見逃さないドタマ、僕の見た目褒めてくれているらしい、と突っ込み、「ステージ上で迷彩着てる この子はどこに紛れようとしているのかな?」

と龍道の服装をガチガチにディス。

それに対し、韻が踏みたいがために「俺は迷彩 あんただったらフリースタイルの天才」とまたもや褒めてしまう。まずいと思ったのか、「俺は違うぜ努力の変態」と軌道修正してなんとか立て直す。

勝負あったか、と思ったが意外にも3-2で龍道の勝ち。

 

Round2。

先攻のドタマ、「努力の変態って努力と変態 意味つながらない」と、
龍道のRound1で吐いた「俺は違うぜ努力の変態」というワードに突っ込み。
「先ほどから同音異義語並べ立ててるけど恰好良いつもりかな?」とディス。しかしドタマ、同音異義語の意味を履き違えてしまっている。

しかしそれを龍道はスルー、その代わり韻を踏みつつ後半四小節で怒涛の早口フロウ。

それにドタマも次バースで応え、後半四小節で早口をかます

そこで龍道、一旦リセットし、「落ち着く そしてアンタが言ってたみたいに餅つく

と、戦極第一章のチプルソvsDOTAMAを思い出させるライン。

そして安定したライムの殴打と早口フロウで締める。結果は3-2で龍道の勝ち。

 

この試合は結構ドタマが韻を意識していて、それが結果的にお互いにどこまで韻を踏めるか、どこまで早口で内容を詰められるか、どこまで揚げ足を取れるか、と根競べのような展開にさせていたのが面白かったです。

 

 

 

いかがだったでしょうか。個人的には2nd Seasonのバトルが少し知名度が低いのかな?と思います。もし、この中で見ていないバトルがあれば是非見てみてください。

今後、2代目モンスターの隠れベストバウトも紹介予定です。まずはRvsJ平の記事を書きますが…